医療継続に係る納税猶予の特例
医療法人の出資持分は、相続税の対象となるが、医療法人は配当を禁止されていることから、過去から蓄積した剰余金が多額となり、相続税評価額が高額になる傾向があります。
その結果、相続税を負担することが困難となり、世代交代ができず、医療法人制度の趣旨である医療機関経営の永続性を脅かす事態に繋がるケースがありました。
また、出資者には、社員の退社時に払戻請求権が、医療法人の解散時に残余財産分配請求権が認められています。
これらは事実上の配当行為に該当し、医療法人の非営利性が担保されていないのではないかという議論がなされています。
上記の課題を解決するため、第5次医療法改正により、平成19年4月以降は持分のない医療法人しか設立できなくなったが、それ以前に設立された持分のある医療法人は経過措置として存続することとなりました。
課税関係
①相続人・出資者に係る相続税・贈与税の納税猶予・免除
「出資持分を相続等により取得した相続人」又は「持分放棄により価値移転をうけた残存出資者」について、一定の要件に該当する場合には、相続税・贈与税の納税が猶予され、移行期限(認定日から3年以内)までに出資持分が放棄された場合には、猶予されている相続税・贈与税は免除されます。
②医療法人への贈与税の納税猶予・免除
認定医療法人の出資者が出資持分を放棄し、認定移行計画に記載された移行期限(認定日から3年以内)までに持分のない医療法人へ移行をした場合には、医療法人が放棄により受けた経済的利益については、医療法人に対して贈与税は課されない。ただし、認定医療法人が、持分のない医療法人へ移行をした日から6年を経過する日までの間に認定が取り消された場合には、当該医療法人を個人とみなして贈与税が課されます。
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