相続税の増税?相続税・贈与税の土地評価額の指標「令和2年分 路線価が公表されました」
国税庁は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる2020年分の路線価(1月1日時点)を発表しました。
全国平均は前年を1.6%上回り、5年連続の上昇、愛知県全体でも前年を1.9%上回り、8年連続の上昇となりました。
弊社が事務所を構える名古屋市で一番高い路線価を記録したのは、中村区名駅1丁目 名駅通りで12,480千円/㎡ (前年+13.0%)でした。
路線価を基準に相続税が計算されるため、路線価の上昇は、実質的に相続税の増税とも言えるでしょう。なお、国税庁ではコロナの影響により今後の地価が大幅に下落した場合に、路線価の減額修正を可能にする措置が検討されています。
※路線価の詳細はこちらから確認いただけます ↓
国税庁「令和2年分財産評価基準」 https://www.rosenka.nta.go.jp/
<路線価とは>
路線価は、道路に面している宅地1㎡あたりの土地の価格であり、相続税・贈与税の税額計算で土地の価格を計算する際の基準となります。路線価には、「相続税路線価」と「固定資産税路線価」がありますが、単に「路線価」と呼ぶ場合は「相続税路線価」を指します。相続税路線価は国税庁より毎年7月頃に発表されています。
土地の売買では個別に価格が決まりますが、相続税・贈与税の計算において用いる土地の価格も個別に時価を求めることが原則とされています。ただし、多くの納税者どうしで公平になるように、一定のルールとして路線価に基づく価格の計算方法(路線価方式)が定められています。
また路線価は主に市街地の宅地が対象となっており、郊外の宅地や山林、農地には路線価がつけられていないことが多いため、そのような場合は固定資産税の課税の基準である固定資産税評価額をもとに計算方法(倍率方式)を使用します。
<路線価を使った土地の価格の計算>
税金の計算に用いる路線価は、相続税の場合は相続開始日(被相続人の死亡日)の属する年分、贈与税の場合は贈与を受けた日の属する年分の路線価を用いて計算します。
基本的には評価したい土地の路線価を調べて面積をかけるだけで、土地の価格を求めることができます。しかし、実際にはいびつな形をした不整形地や、高低差がある土地、複数の道路に接する土地など、独自の状況が反映されておらず多くの土地は路線価の補正が必要となり、調べた路線価に単純に面積をかけるだけでは正確な価格を求めることは困難です。
この点は路線価を基準に算出された金額に一定の加減算することにより調整します。
調整する項目としては、以下のようなものがあります。
(+)加算調整:角地(二方道路、三方道路など)
(-)減算調整:不整形地・奥行長大・高低差・間口狭小・地積規模の大きな宅地(広大地)など
路線価を使った土地の評価は、税理士であっても相続税や贈与税に関する経験が浅ければ間違えることがあります。また相続税や贈与税は税率が高く、土地の評価額が少し変わるだけでも税額が大きく変わります。
税額の不足で税金を追徴されたり、逆に税金を払い過ぎたりしないためにも、路線価を使った土地の価格の計算は相続税・贈与税に特化した相続税専門の税理士事務所に依頼することをおすすめします。
税理士法人アイビスでは、愛知県(名古屋・岡崎市)を中心に東海地方、東京都の広いエリアで「税金対策」、「事業承継」、「相続対策」などの税務相談を受け付けております。
また「相続税の財産評価」や、相続税を多く払いすぎた場合に還付を受ける「相続税の更正の請求」など、相続税に関するお困りごとがございましたらお気軽に弊社までご相談ください。