再転相続とは
名古屋の税理士法人アイビスが再転相続について解説致します。
再転相続とは
再転相続とは、相続人が熟慮期間中に、相続の承認または放棄を行わないまま死亡してしまった場合に、その死亡した者の相続人が、前相続人の承認・放棄する権利を承継取得することをいいます。
具体例を挙げて説明すると、父Aが3月1日に死亡し、その相続人である母Bが父Aの相続について承認または放棄をしないうちに2ヶ月後の5月1日に死亡したようなケースです。
この場合、母Bの子Cは、父Aと母Bの相続分を承継することができます。
しかし、母Bの遺産は承継したいが、父Aには多額の借金がある場合、母Bの相続だけを承認し、父Aの分についてだけ相続放棄することができるのかどうかが問題となります。
結論からいえば、子Cは父Aの分だけ相続放棄をすることができ、これを再転相続放棄といいます。
これに対して、子Cが母Bの相続を放棄した場合は、もはや父Aの分だけ相続を承認することができません。なぜなら、子Cは父Aの相続を選択する権利を母Bから相続しているからです。
再転相続の熟慮期間
相続放棄は、相続開始後3ヶ月以内におこなう必要があります。
なお、相続開始というのは「自己のために相続の開始があったことを知った時」のことですが、再転相続の熟慮期間については、「相続人が相続の承認または放棄をしないで死亡したときは、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から起算する」とされています。
上記の具体例でいえば、子Cが母Bの死亡の事実を知った時です。つまり、子Cが母Bの死亡を5月1日に知ったのであれば、たとえ父Aの死亡の事実を3月1日に知っていたとしても、子Cが父Aの相続分を承認するのか放棄するのかについての熟慮期間は母Bの死亡の事実を知った日から3ヶ月後の8月1日までとなります。
<ここがポイント!>
再転相続の熟慮期間の起算点は、その者(母B)の相続人(子C)が、自己のために相続の開始があったことを知ったときです。
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