相続税・贈与税の納税猶予


名古屋の税理士法人アイビスが調査事例集をお知らせします。

中小企業のオーナーに、換金性のない自社株式に対して多額の相続税が課されることがあります。
そのため、相続税をいかに引き下げるかを考え、株価を抑えるために利益を出さないようにしたり、不必要な会社分割をしたり、自社株式を親族にばらまくなどといった行為が行われてきました。
いずれも会社経営上、健全性を欠くものであり、却って会社の寿命を縮めることになります。

特例

会社に負担をかけず、円滑な事業承継ができるようにするために設けられたのが、「非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例」である。
この制度は、後継者が現経営者から自社株式を贈与あるいは相続・遺贈によって取得した場合、一定の条件を満たして所定の手続きを行うと、贈与税・相続税の納税が猶予されるというものである。
承継するタイミングを決めることができるという点では、贈与税の納税猶予のほうが使い勝手が良いように感じるが、後継者が役員等に就任してから3年以上を経過していることが条件にあります。
なお、納税猶予を受けたあとに要件を満たさなくなった場合は、猶予された税額をすべて納付しなければならない。
そのため、納税猶予を利用するのであれば、その後の会社経営に関してきちんと見通しを立て、事業を継続していく必要がある。

ポイント

この税制の活用の検討ポイントは、①会社の事業の将来性に対する見極め、②後継者の能力に対する見極めであり、いずれも会社の永続的発展のために不可避の要素である。
この二つに自信が持てないということは、会社の存続にも自信が持てないということであり、その点で酷な税制といえる。
非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用対象となる会社の主な要件(相続税・贈与税共通)
納税猶予の特例を受けるためには、次のいずれにも該当しない会社(認定承継会社)である必要がある。

  1. ① 上場会社
  2. ② 中小企業者に該当しない会社(詳細は後述)
  3. ③ 風俗営業会社(性風俗関連特殊営業を営む会社)
  4. ④ 資産保有型会社または資産運用型会社のうち一定のもの(詳細は後述)
  5. ⑤ 直近の事業年度における総収入金額(営業外収益および特別利益を除く)がゼロの会社
  6. ⑥ 常時使用従業員(※)の数がゼロの会社

具体的なご相談は相続税申告の経験豊富な名古屋の税理士法人アイビス 相続サポートセンターまでお気軽にお問い合わせください。


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