小規模宅地等の特例について⑦
小規模宅地等の特例は、被相続人(亡くなった人)の自宅や店舗、事務所など、事業用に使っていた宅地につき大幅に評価額を下げてもらえる措置のことです。
不動産の評価額を下げることにより、結果として算出される税額も下がることになります。
適用するためには、原則として相続税の申告期限(被相続人の死亡から10か月後)までに遺産分割を済ませて税務署に申告書を提出する必要があります。
具体的には、「居住用」「事業用」の宅地に関しては80%もの評価減、「事業用」として他人に貸し付ける土地に関しても50%の評価減ということになっています。
いずれも取得者の要件や面積の上限がありますが、これを最大限に活かせば大幅な節税が可能になります。
駐車場を相続することとなった場合
駐車場を相続することとなった場合、駐車場の敷地上に構築物がある場合は特例の適用を受けることができます。一方、構築物がなければ特例は適用されません。それではもう少し詳しく紹介していきます。
小規模宅地等の特例の適用ができる駐車場
駐車場の敷地の上に構築物がある駐車場は小規模宅地等の特例を適用できます。これは小規模宅地等の特例の原則である「建物又は構築物の敷地の用に供されているものであること」に基づいています。この場合の構築物とはアスファルトや砂利、機械式のことを指します。
小規模宅地等の特例が適用できない駐車場
小規模宅地等の特例が適用できない駐車場とは、構築物がない駐車場、いわゆる青空駐車場のことです。例えば、ロープを張っただけの場合や止め石があるだけの場合は構築物とは言えないので、小規模宅地等の特例が適用できません。
【減額率】
駐車場が減額できるのは50%です。
準事業とは事業と言わないまでも、「相応の対価」を得ながら継続的に行っているものをいいます。要するに、少額でも貸付をし続けていたら貸付事業用宅地等に該当するということです。
平成30年度の税制改正によって新たなハードルが設けられました。そのハードルとは次の通りです。
相続開始前3年以内に貸付事業の用に供されたものでない場合に限られることになり、被相続人の死亡直前に急遽駐車場経営を始めても貸付事業用宅地等に該当しないこととなりました。
※ただし、事業的規模で貸付事業を行っていれば、改正前と同様に貸付事業用宅地等に該当します。
【適用面積】
面積は200㎡まで適用できることとなっています。
如何でしたでしょうか。
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