永続経営を守るための遺留分対策②/名古屋 税理士法人アイビス 相続サポートセンターは相続・相続税のご相談を受付中です


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前回の記事では遺留分対策の基本編として、【永続経営を守るための遺留分対策①】遺言の作成が重要ということを伝えました。
そのうえで、「遺留分を金銭で支払うのは負担が大きすぎる」という悩みを相談されることもあります。
また、相続の分け方を事前に合意をえて決めていても、実際に相続がおこったときに、合意を撤回して遺留分を請求することが法律上できるため不安だという相談を受けることもあります。

今回は具体的な遺留分対策を解説します。
以下の4つです。これらを一つずつ見ていきましょう。

①    生命保険
②    家庭裁判所での遺留分放棄
③    養子縁組
④    遺留分相当額の資金の調達計画を立てる

①    生命保険

簡単に導入することができ、裁判例でも認められた効果的な遺留分対策は、生命保険の活用です。
遺産を預金で渡す割合を減らして、死亡保険金として渡す方法です。
預貯金のまま遺言で渡す場合と、生命保険を活用して死亡保険金で後継者に渡す場合とでは、遺留分の額が変わります。遺留分の計算方法は被相続人の遺産を基準に計算しますが、子の遺産には生命保険の死亡保険金は含まれないからです。
また死亡保険金は「現金で」「すぐに」渡せるため、遺留分を支払う原資とすることができます。
ただし、生命保険の金額が財産に占める割合が高すぎると、遺留分の対象に含めるとされた裁判例もあるので注意は必要です。

②    家庭裁判所での遺留分の放棄

推定相続人のうち、遺留分の権利を持つ本人が同意しており、協力的であれば生前に将来の遺留分を放棄する手続きをすることもできます。
ただし、家庭裁判所を関与させることが必要です。
この遺留分放棄を活用することで、将来遺留分を請求される心配がなく、遺言者の描いたとおり、後継者への相続を実現させることができます。

③    養子縁組

養子縁組として養子を増やすことにより、相続人が増えるため、一人当たりの遺留分相当額を減らすことができます。

相続税法上は、養子縁組は1人まで(実子がいない場合には2人まで)しか相続税の基礎控除が認められないという制限がありますが、民法上はありません。
ただし養子縁組することにより相続人が増えるため、思わぬ争いが生じることもあります。
一度養子縁組すると簡単には解消できません。また過去には遺留分を減らすことを目的とした養子縁組が無効とされら裁判例もあるので、実行するには注意が必要です。

④    遺留分相当額の資金の調達計画を立てる

遺留分相当額の金銭をあらかじめ準備しておく方法です。まずは、相続で継承する資産の中に、現金や預貯金、上場株式などの流動資産の割合がどのくらいあるかを確認します。
もしも遺留分に十分に足りる流動資産額があるならば、後継者も遺留分の支払いができるため、安心することができます。
一方で不動産の割合が高く、流動資産が遺留分の金額と比べて不足する場合には、不動産の一部を売却して捻出する、もしくは銀行から融資を受けてなどの方法があります。
融資を受けるためには担保を求められるため、相続が発生する前に、銀行に融資可能かどうか、および融資額を確認しておくと安心です。

何よりも遺留分対策で大事なのは遺言をつくることです。
後継者以外の相続人へ全く相続させないのではなく、金銭の一部をあえて渡すという遺言をつくり、愛情を示すことで、遺留分請求に至らなかったという家族もいました。

遺言書に「付言事項」などを付け加えるのも一つの手段です。


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