相続対策!生命保険を活用して/名古屋の税理士法人アイビスが皆様のお役に立つ情報をお伝えします。
◇相続でお困りの皆さまへ 名古屋 相続サポートセンターへご相談ください
相続対策には、生命保険の活用が不可欠です。
なぜなら、生命保険だけに認められた効果があるからです。
不動産賃貸オーナーの相続では、所有している不動産に比べて現金が少ないということです。
『長男に不動産を残したい』と思っていても、ほかの相続人からは不動産を売却して財産を平等に分けられることを迫られるかもしれません。
「円満な家族・相続」、「永続経営」のためどうすれば現代の家督相続がうまく実現できるかを考えます。
生命保険だけの三つの効果
生命保険だけに備わる特別な効果があります。
① 相続税の非課税枠がある
② 後継者にすぐに金銭を渡せる
③ 遺留分を減らせる
という三つの効果です。
相続税の非課税枠
一つ目の相続税の非課税枠ですが、
生命保険の死亡保険金に「500万円×相続人数」までの相続税非課税枠があります。
預貯金よりも、保険金のほうが相続税を減らせます。
簡単に実行できる節税対策になります。
相続発生後すぐに現金を渡せる
二つ目の効果は、後継者にすぐ金銭を渡せるという事です。
これにはほかの相続人の同意を得る必要がありません。
預貯金で資産を残す場合は相続発生時に相続人全員の合意がないと、原則として現金を引き出せません。
一方で預貯金から生命保険に資産を組み替えて残す場合は、受取人の請求だけで死亡保険金をうけとることができます。
また、預貯金で残した場合、口座が凍結されると賃貸不動産の運転資金も引き出すことができず、困ることになります。
仮に遺言があった場合や相続人全員で合意できた場合でも、口座の解約までに1~2カ月はかかることが多いです。
一方で、死亡保険金は即日~2週間ほどで受け取ることができます。
相続対策とは遺留分との闘い
三つ目は、遺留分を減らす効果です。
特に、賃貸不動産オーナーの資産の特徴として、不動産が多く現金が少ないという傾向があります。
そうなると、相続対策は遺留分との闘いになることが少なくありません。
生命保険で遺留分を減らす効果を享受するには、遺言をつくること前提となります。
遺留分とは「特定の相続人が遺産を相続する際の最低限の取り分」です。
子供が2人いた場合、仮に遺言で「長男に全財産を相続させる」とした場合でも、次男が遺留分を請求すると長男は遺留分を相当額を金銭で渡さなければいけません。
次男の遺留分は、相続財産の4分の1の金額になります。
遺留分は、遺言者である親の意思でもゼロにできません。
不動産を守ることや不動産の経営維持のために長男にできるだけ金銭を残したい場合、遺留分をどうするかが問題となります。
その場合の救世主が生命保険です。
遺留分を減額し、支払いに備える
生命保険では、そのほかの対策では難しい「遺留分を減らすこと」ができます。
先の事例で、相続財産が不動産4000万円と預貯金2000万円の計6000万円だった場合。
この場合は、次男の遺留分は6000万円の4分の1となり1500万円です。
一方、預貯金2000万円のうち1200万円を事前に生命保険に変え、死亡保険金として長男に渡す場合を考えます。
遺留分の計算に生命保険の金額は含まれないため、相続財産は不動産4000万円と預貯金800万円の計4800万円です。
この場合の次男の遺留分はその4分の1の1200万円となり、生命保険に変えなかった場合よりも、遺留分が300万円減ります。
長男には1200万円の生命保険金が入るため、長男は遺留分を支払うことができます。
遺留分対策としては一石二鳥です。
この対策の注意点は遺言書が必須だということです。
遺言がなければ、次男の取り分は法定相続分(財産の2分の1)となり、次男の合意がないと不動産を長男に承継すること自体が困難になります。
このため、生命保険と遺言はセットで対策することを検討したほうがいいでしょう。