相続発生時に行方不明者がいる場合/名古屋の税理士法人アイビスが解説
◇名古屋の税理士法人アイビス 相続サポートセンターがご説明します
相続人が行方不明や音信不通で連絡が取れない場合があります。
例えば、住所が分からない、音信不通で連絡が取れないなどです。
相続人の住所が分からない場合は、その相続人の「戸籍の附票」を入手します。
戸籍の附票には「本籍地」と一緒に「住所」も記録されているので「戸籍の附票」を取得することで住所も分かります。
住所が分かれば、手紙を出してみて、「転居先不明」や「宛先不明」など手紙が返送されてきたら、
誰も住んでないか別の人が住んでいる可能性があります。
「受取拒否」などの場合は、本人がその場所に住んでいる可能性が高いので、何度か手紙を送り続けたり、
現地を訪ねたりして直接話をするようにします。
一方、登録されている住所に住んでいない場合や連絡が取れない場合には、行方不明者が各SNSにアカウントを作っていないか、
居場所に関する情報を載せていないか調べてみて、それらしき人がいたらダイレクトメッセージ機能などを利用して連絡してみるのもいいでしょう。
行方不明の期間が7年未満の場合
相続人と音信不通になって7年未満であれば、利害関係人(相続人にあたる者、不在者の配偶者、債権者など)又は検察官が、家庭裁判所に「不在財産管理人」の選任の申し立てをします。
不在財産管理人は、主に財産を保存する権限を有していますが、遺産分割協議をしたり、不在者の財産を処分する行為は、
財産管理人の権限を超えていますので、このような行為が必要な場合は、別に家庭裁判所で「権限外行為許可」という手続きが必要になります。
不在者の生死が7年間明らかでない場合
不在者(従来の住所又は居住を去り、容易に戻る見込みのない者)につき、
・その生死が7年間明らかでないとき(普通失踪)
・戦争、船舶の沈没、震災などの死亡の原因となる危難が去った後その生死が1年間明らかでないとき(危難失踪)
利害関係人(不在者の配偶者、相続人にあたる者、財産管理人、受遺者など失踪宣告を求めるについての法律上の利害関係を有する者)が不在者の従来の住所地又は居所地の家庭裁判所に申立てをし、家庭裁判所が失踪宣告することができます。
失踪宣告の申立てをすると、まず申立人や行方不明者の親族などに対して家庭裁判所の調査官による調査が行われます。
次に、行方不明者自身又は行方不明者の生存を知っている人に対して、一定期間内に届け出るように官報や裁判所の掲示板で催告されます。
その期間内に届出がなければ失踪が宣告されます。
申立てをしてから失踪が宣告されるまでには半年以上かかります。
失踪宣告とは、生死不明者に対して、法律上死亡したものとみなす効果を生じさせる制度です。
家庭裁判所の失踪宣告があっても、戸籍に記録されるわけではありませんので、申立人は失踪宣告から10日以内に、市区町村役場に失踪の届出をしなければなりません。
届出には審判書謄本と確定証明書が必要になるため、家庭裁判所に交付を申し出ます。
7年間の起算点は、不在者の生存が認められた最後の時点であり、その翌日から起算して満7年間が失踪期間となります。
失踪宣告で行方不明者が死亡したとされる日が被相続人の死亡前であるか死亡後であるかによって、相続の権利は次のようになります
① 行方不明者が死亡された日が被相続人の前であるとき
行方不明者に子がいない場合は、行方不明者以外の相続人のみで遺産分割協議を行い、
行方不明者に子がいる場合は、子が行方不明者の代襲相続人として遺産分割協議書に参加することになります。
② 行方不明者が死亡したとされる日が被相続人の死亡後であるとき
「相続時点で相続権をもったまま死亡した」という扱いになります。
この場合は、行方不明者の法定相続人が遺産分割協議に参加することになります。
なお、失踪宣告を受けた人の生存が確認できた場合には、本人若しくは利害関係のある者が、
家庭裁判所に対して失踪宣告の取消を請求して失踪宣告の取消を行います。
失踪宣告により財産を遺贈されたり、生命保険金を受け取ってしまった場合、
返還しなくてはいけないのは、その利益が残っている限度(現存利益)でよいとされています。
税理士法人アイビス 名古屋 相続サポートセンターでは事業者様に有用な情報を提供しています。
ぜひ税理士法人アイビス 名古屋 相続サポートセンターまでお気軽にお問い合わせ下さいませ