相続した財産は3年10か月以内に売ると節税できる/名古屋 税理士法人アイビスが相続・相続税に関する情報をお届け致します
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譲渡資産の取得費加算の特例
相続または遺増により取得した土地、建物、株式などの財産を、一定期間内に譲渡した場合に、相続額の一定金額を譲渡資産の取得費に加算できる。
※この特例は譲渡取得のみに適用がある特例です。株式等の譲渡による事業所得および雑所得については適用できません。
特例の適用を受けるための要件
①相続や遺贈により財産を取得したものであること
②その財産を取得した人に相続税が課税されていること
③その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限(10か月の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること
実例で解説!!
例えば、4億円の財産を相続して、1億円の相続税を納めた人がいたとします。
そして、相続した財産4億円のうち、2億円の土地を売却しました。
この土地は故人が過去に8000万円で購入したものだとします。
本来であれば、売却代金2億円から取得費8000万円を引いた1億2000万円が譲渡取得(利益)となり、税率20.315%をかけた2400万円の税金を納めなければいけません。
しかし、取得費加算の特例を使った場合、納めた相続税1億円のうち2分の1にあたる5000万円の相続税を取得費に加算することができます。
結果として、2億円から取得費8000万円と加算分5000万円を引いた7000万円が譲渡取得となり、税率20.315%をかけた約1400万円まで税の負担が軽くなるのです。
※土地を売却したという前提で解説しましたが、不動産以外でも相続した株式や投資信託、ゴルフ会員権や絵画など売却した場合もこの特例を使うことができます。
手続き
この特例を受けるためには一定の書類を添えて確定申告をすることが必要です。
確定申告書に次の書類等を添えて提出してください。
(1)相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書
(2)譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]や株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
なお、(1)の計算明細書を利用すると、取得費に加算される相続税額を計算することができます。